中国ビジネスコラム

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中国越境ECの始め方完全ガイド|市場規模・出店方法・戦略まで解説

2026/04/30 越境EC


「中国市場は変化が激しく、リスクが高い」
「何から手をつければいいかわからない」
「中国市場は今停滞しているのではないか」

こういう不安をお持ちの担当者様も多いのではないでしょうか。


弊社のクライアント様からも、
・中国越境ECに興味はあるが始め方がわからない
・出店したものの売上が伸びない
・現地トレンドについていけない

といったお悩みが絶えず寄せられており、次の投資を躊躇されているケースも非常に多いのが実情です。


しかし、中国越境EC市場は今なお成長を続けており、日本企業にとって大きなチャンスがある市場です。
本コラムでは、2026年現在の中国越境EC市場の規模や現状、主要なプラットフォーム、そして失敗しないための戦略についてわかりやすく解説します。





中国越境ECの市場規模と現状


中国のEC市場は世界最大規模


経済産業省「令和6年度 電子商取引に関する市場調査」によると、2024年の世界越境EC市場規模は1.01兆USドルと推計され、2034年には6.72兆USドルまで拡大すると予測されています。その中でも中国は、全世界EC市場の約半分を占めており、世界のEC市場の中心的存在です。
同調査によると、2024年時点で「インターネットを経由して商品を購買したことがある人口」は、

中国:約9億2,261万人
日本:約8,261万人

となっており、中国は日本の約11倍のEC購買人口を抱えています。
つまり、中国市場は「人口が多い」だけではなく、実際にオンラインでモノを買うユーザーが圧倒的に多い市場なのです。

引用元:経済産業省 電子商取引に関する市場調査
https://www.meti.go.jp/press/2025/08/20250826005/20250826005-a.pdf


中国越境EC市場は依然として高成長を継続


中国では、国内消費の成長ペースが緩やかになる一方で、越境ECは引き続き高い成長を維持しており、中国経済における重要度が高まっています。
中国国家統計局によると、2025年の国内消費の伸びは3.7%にとどまる見込みですが、越境ECはこれを上回るペースで拡大しています。

中国税関総署が2025年6月に公表したデータによると、2024年の中国越境EC輸出入総額は2.71兆元(約56兆円規模)に達しました。
そのうち、輸出額は2.15兆元で前年比16.9%増と高い成長率を記録しています。
これは、中国越境ECが一時的な流行ではなく、すでに中国の貿易インフラとして定着していることを示しています。




中国越境ECの特徴


「SNS完結型」の購買行動


日本では Google 検索や楽天・Amazon 内検索から購入されるケースが多いですが、中国では検索エンジンではなく SNS 上の口コミ(KOC/KOL)やショート動画を見て購入を決定するスタイルが主流です。

中国のデジタル環境は世界でも類を見ない独自の進化を遂げており、SNSやECモールも中国特有の形で発展しています。
この環境下では、ユーザーの情報感度が非常に高く、企業が発信する広告よりも、SNSやECサイト上に投稿される「実体験に基づく口コミ(UGC)」を強く信頼する傾向があります。
そのため、新たな商品やサービスの情報収集においては、まずこれらのプラットフォームを確認し、ユーザー同士のリアルな声を意思決定の重要な指標にするケースが一般的です。

こうした背景から、中国では 「SEO 対策だけ」「商品登録だけ」では売れにくく、SNS 運用と EC 運用を一体で考える必要があるのが現状です。


日本ブランドだけでは売れない時代


以前は「日本ブランドだから売れる」とされる時代もありましたが、現在の中国市場は競争が激化しており、「日本ブランド」であること自体の優位性は薄れつつあります。特に近年は、中国国内企業の技術力が大きく向上していることに加え、中国のZ世代を中心に自国文化やデザインを再評価する動きが強まっており、市場における選択肢は一層多様化しています。その結果、ユーザーは価格や品質だけでなく、デザインや口コミ、ブランドの世界観まで含めて総合的に比較し、購入を判断するようになっています。
このような環境下においては、「良いものを作れば売れる」という従来の発想だけでは十分と言えません。市場環境やユーザー行動を踏まえ、どのように認知を獲得し、選ばれるかという視点が不可欠となっています。
つまり、「日本ブランド」であることに依存した販売は通用しない時代に入り、競争環境に適応した戦略設計が求められています。弊社では、単にプラットフォームへ出店して販売するだけではなく、最新の市場環境・トレンドを反映したSNS を活用したプロモーション施策を併せてご提案しています。


セール文化が強い


中国の EC 市場では、大型販促イベントの影響力が非常に大きいです。

・代表例:
618 セール(6月)
ダブルイレブン(11月11日)
春節商戦
年賀節

中でも「ダブルイレブン(W11/双11)」は、その規模の大きさが際立っています。
2024年のセール期間中における中国ECプラットフォーム全体の累計売上高は1兆4,418億元(約33兆1,614億円)に達し、経済産業省が発表した日本の2024年国内BtoC-EC市場規模(約26兆1,225億円)を、わずか約1か月のイベント期間で大きく上回っています。
さらに、2025年はこれを上回る1兆6,950億元(約38兆9,850億円)に達すると発表されています。

このように、大型販促イベントを起点とした消費が主流となっており、これらのタイミングでは販売量が大きく伸長するため、年間の販促カレンダーに合わせた設計が重要となります。
一方で、広告出稿や競争も一気に激化するため、コストの増加を踏まえた戦略設計が不可欠です。





中国越境ECへの参入方法と主要プラットフォーム


参入の第一歩は、ターゲット層と予算に合わせたプラットフォーム選びです。
ここでは、2026年現在においてユーザー数・流通規模ともに大きな影響力を持つ主要プラットフォームを紹介します。


天猫国際(TmallGlobal)


アリババグループが運営する、中国最大級の越境ECプラットフォームです。中国越境EC市場において約39.8%を占めています。出店には厳格な審査があり、出店企業は海外ブランドに限定されているため、正規品を求めるユーザーに対して効果的にアプローチできます。

・特長:圧倒的なユーザー数と信頼性を持ち、中国市場における「ブランドの顔」としての役割を果たす。
・ターゲット:幅広い層が利用し、特に中間層から富裕層が中心。ブランド認知度を確立したい企業に最適。
・メリット:アリババの持つ膨大なビッグデータを活用可能。


京東国際(JDWorldwide)


中国第2位のECプラットフォームである京東集団(JD.com)が運営する越境ECサイトです。家電やPC周辺機器など、いわゆる3C製品(コンピュータ・通信機器・家電)に強みを持っています。

・特長:自社物流網を駆使した配送スピードと、家電やデジタルガジェット、日用品に対する信頼が非常に高い。
・ターゲット:品質と配送速度を重視するユーザー。
・メリット:偽造品排除に対する姿勢が厳格で、ブランドの信頼性を保ちやすい。


抖音(Douyin/中国版TikTok)


日本ではTikTokとして知られており、近年、急速にシェアを伸ばしているショート動画・ライブコマースを軸とした「SNS×EC一体型アプリ」です。

・特長:視聴者の興味関心に合わせてAIが動画を表示し、そこから衝動的な購買を促す。
・ターゲット:Z世代を中心とした若年層から幅広い層。
・メリット:知名度が低いブランドでも、動画のクリエイティブ次第で爆発的なヒット(バズ)を生む可能性がある。


小紅書(Xiaohongshu/RED)


抖音と同様、ECとSNSが一体化したアプリです。
日本では、「中国版Instagram」とも称され、口コミやライフスタイルなどの投稿を通じて、種草(認知拡大・ブランドイメージ形成)の役割を担い、ユーザーの購買判断に大きな影響を与えています。

・特長:実体験に基づいたユーザー投稿(UGC)が中心。広告色の薄いリアルな「口コミ」による認知拡大が、購買決定に強い影響を与える。
・ターゲット:トレンドに敏感な女性ユーザー。コスメ、ファッション、育児用品に強い。
・メリット:EC機能だけでなく、プロモーションを通じてブランディングや認知拡大に有効。





中国向け越境ECを始める際の注意点


参入にあたっては、以下の3点に特に留意が必要です。


法規制と認証


中国では、EC市場の秩序や消費者保護を目的とした「中国電子商取引法」が定められています。中国でEC事業を始める際は、この法律に基づいた対応が必要となります。具体的には、事業者情報の登録や営業許可の提出、商品カテゴリーに応じた認証・許可の取得などが求められます。
一方、越境ECの場合は、一定の条件を満たすことで、軽減税制や輸入規制の緩和といった優遇措置を受けることも可能です。これらの制度を正しく理解し、活用することが、スムーズな運営とコストの最適化につながります。


価格競争の回避


競合の多い中国市場で価格競争に陥ると、消耗しやすくなります。単に価格を下げるのではなく、「ブランドストーリー」や「原料・品質の違い」、「使用体験」、そして「日本企業ならではの安心感」といった価値を丁寧に伝えていくことが重要です。


現地トレンドへの対応スピード


中国の流行サイクルは日本よりも大幅に速く、競合の流行への対応スピードも非常に高いのが特徴です。そのため、現地トレンドをリアルタイムで反映した運用が不可欠です。




中国市場は高い成長ポテンシャルを持つ一方で、トレンドの移り変わりやプラットフォーム特性、法規制など、日本とは異なる前提での対応が必要です。こうした環境を踏まえた上で、適切なパートナー選定や体制構築を行うことが重要となります。

当社は、日本と中国の両拠点に専門チームを擁する強みを活かし、EC運用代行に留まらず、SNSを活用した戦略立案から実行までを一気通貫でサポートいたします。日中の緊密な連携により、現地の最新動向を即座に反映した「SNS×EC」の一元管理を可能にし、ブランド価値の最大化を実現します。

「商品が売れるか不安」「どのプラットフォームが正解か分からない」「広告費ばかりが嵩んでいる」
上記のような課題を感じられている方は、ぜひ一度私たちにご相談ください。
中国市場を熟知した専門チームが、貴社に最適なマーケティング戦略をご提案いたします。



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