中国ビジネスコラム
【2026年】天猫国際とは?出店メリット・他プラットフォームとの違い・成功の秘訣
2026/05/18 越境EC

中国市場への進出を検討する際、必ずと言っていいほど候補に挙がるのが「天猫国際(Tmall Global)」です。しかし、名前は聞いたことがあっても、同じアリババグループの通常の天猫(Tmall)やタオバオ(Taobao)、その他ECプラットフォームとの具体的な違いや、自社に最適なプラットフォームがどれなのか判断に迷う方も多いのではないでしょうか。
本コラムでは、中国市場進出のプロの視点から、天猫国際の概要、他プラットフォームとの違い、そして具体的な出店方法や施策について分かりやすく解説します。
天猫国際(TmallGlobal)とは

天猫国際は、アリババグループが運営する世界最大級のB2C越境ECプラットフォームです。
世界90以上の国・地域から46,000以上のブランドが出店しており、中国の中高所得層を中心に「正規品を安心して購入できる越境EC」として強い信頼を獲得しています。
特に、化粧品・健康食品・ベビー用品などのカテゴリーに強みを持ち、中国消費者からの日本ブランドや海外ブランドへの信頼感とも親和性が高いことから、ブランド世界観の訴求や認知形成を行いながら販売につなげやすい点が特徴です。
また、中国法人がなくても出店できるため、日本企業が中国法人を持たずに、世界最大のEC市場である中国へテストマーケティングを兼ねて参入できるプラットフォームとして、多くの企業に活用されています。
【徹底比較】主要プラットフォームとの違い
各企業の中国市場に対する進出方針や、商品戦略によって、活用するプラットフォームは変わってきます。
以下の表に主な違いをまとめました。

天猫との違い
天猫は中国国内事業者向けのECプラットフォームで、中国国内に法人・在庫を持ち、国内流通を前提とした運用となります。
アリババグループが展開するBtoC型ECのうち、天猫は中国国内事業者向けの中国国内EC、天猫国際は海外事業者向けの越境ECという位置づけになります。
淘宝(タオバオ)との違い
淘宝はC2Cを中心としたオープン型のECプラットフォームで、個人や中小事業者を含め誰でも出店可能なマーケットプレイスです。また、天猫同様、中国国内事業者向けの国内ECとなります。
京東、京東全球購との違い
京東は中国国内向けEC、京東全球購は越境ECとして展開されており、いずれも京東グループが運営するECモール型プラットフォームです。
京東は自社物流網を強みとしており、配送スピードや品質管理に優れる点が特徴です。また、特に3C(家電・デジタル)領域において高い販売力を持ち、機能性や品質を重視するユーザーとの親和性が高い傾向があります。
天猫国際と同様に、京東全球購も海外事業者向けの越境ECですが、両プラットフォームではユーザー層や購買傾向、強みとするカテゴリなどに違いがあるため、自社ブランドの戦略や商材特性に応じた選択が必要です。
抖音との違い
TikTokとして知られる抖音は、天猫国際や京東のようなECモール型プラットフォームとは異なり、ショート動画やライブ配信などのコンテンツを起点とした「SNS×EC型」のプラットフォームです。
抖音は、高い拡散力を活かした認知拡大や潜在層へのアプローチを得意としており、ショート動画によるトレンド形成に加え、ライブコマースを通じた高い販売力を強みに、近年の中国市場における重要な販売チャネルの一つとなっています。
このように、中国市場では、従来のECモール型プラットフォームに加え、コンテンツを起点として購買につなげるSNS型ECも拡大しており、それぞれ役割や強みに違いがあります。
天猫国際が日本企業におすすめな理由
理由①:参入ハードルが低い
中国市場で一般貿易による販売を行う場合、中国現地法人の設立や現地銀行口座の開設など、中国国内での事業基盤構築が必要となります。
一方、天猫国際は「越境EC」の仕組みを活用したプラットフォームであるため、日本法人のまま参入することが可能です。
そのため、中国国内に大規模な事業体制を構築することなく、中国市場への展開を始めやすい点は、初期投資や撤退リスクを抑えられるという観点からも、日本企業にとって大きなメリットといえます。
理由②:“正規品プラットフォーム”としての高い信頼性
天猫国際は出店審査が厳しく、ブランドの正規性を重視しているプラットフォームです。
特に、「公式旗艦店」はアリババの審査を通過した正規ブランドであることを示しており、消費者からの信頼獲得にもつながっています。
中国市場では、特に越境ECにおいて商品の真贋や品質への関心が高く、「安心して正規品を購入できること」は購買判断における重要な要素の一つです。そうした中、天猫国際は“正規品プラットフォーム”として高い認知を持っており、日本ブランドとの親和性も高い点が、日本企業におすすめできる理由の一つといえます。
理由③:プラットフォーム規模とユーザー層の強み
アリババグループは中国EC市場において圧倒的な存在感を持っており、天猫国際も多くのユーザーを抱える主要な越境ECプラットフォームの一つです。
また、アリババグループの強力なバックエンドデータを活用することで、どのようなユーザー層が自社商品に関心を持っているかを詳細に分析できます。
天猫国際には、正規品志向の中高所得層を中心に、「品質」「安全性」「信頼性」を重視するユーザーが多く集まっており、特に日本製品はこれらの領域で高い評価を得ていることから、天猫国際との親和性が高いです。
天猫国際で成功するためのポイント
①SNS(小紅書・抖音)マーケティングとの連動

現在の中国市場では、小紅書や抖音などのSNSを通じて商品やブランドを認知し、その後ECで検索・購入するという行動が一般化しています。
特に小紅書では口コミやレビュー投稿、抖音ではショート動画やライブ配信などを通じて商品に興味を持つケースが多く、「検索して探す」のではなく、「SNS上で自然に認知される」ことが購買の起点となっています。
そのため、新規参入ブランドが天猫国際で成果を出すためには、まず小紅書や抖音などのSNS上で「種草(=認知形成・興味喚起)」を行い、検索や購買につながる導線を形成することが重要です。
②ダブルイレブン・618商戦などの大型セールを見据えた販促設計
中国EC市場において、ダブルイレブン(独身の日/11月11日)や618商戦は、年間最大級の販促イベントとして位置づけられています。
特にダブルイレブンは、「1年で最も安く買える日」として広く認知されており、多くのユーザーがこのタイミングでの購入を前提に商品を比較・検討します。ここで成果を出せるかどうかが、年間売上を大きく左右するケースも少なくありません。
一方で、競合ブランドも同時期に大規模な販促投資を行うため、単にセール当日に割引を実施するだけでは十分な成果につながりにくい傾向があります。
そのため、SNSでの事前認知形成、ライブ配信、会員施策、広告運用などを含め、セール前・セール中・セール後を通じた戦略設計が重要となります。
③中国ユーザーに合わせたローカライズ戦略
中国市場で成果を出すためには、単に日本語を中国語に翻訳するだけでは不十分です。
中国では、小紅書や抖音などのSNSを通じた口コミやKOLの発信、レビュー、ライブ配信でのリアルな反応など、多面的に情報を比較しながら購買を判断する傾向があります。
そのため、日本市場向けのコピー表現やビジュアル、レビュー設計、ライブ配信の進行方法などをそのまま展開しても、商品の魅力やブランド意図が十分に伝わらないケースも少なくありません。
中国市場では、現地ユーザーの価値観や購買行動を踏まえ、各タッチポイントを最適化する「ローカライズ」が重要となります。
天猫国際に出店する4つのステップ
天猫国際への出店は、大きく分けて以下の4ステップで進行します。
1.出店形態の決定
自社運営の「フラッグシップショップ(旗艦店)」や、天猫国際側が仕入れる「直販(自営)」モデルなどから選択します。
2.審査と書類提出
日本法人の登記簿謄本、ブランド登録証、各種ライセンスの提出が必要です。アリババの審査は年々厳格化しており、専門的な知見に基づいた書類準備が求められます。
3.店舗開設とシステム設定
国際アリペイ(Alipay)の登録、商品の登録、店舗デザイン。中国ユーザーの心をつかむためのビジュアル制作を行います。
4.物流・CS体制の構築
中国語でのカスタマーサポート体制や、アリババ公式物流(菜鳥/Cainiao)との連携を行い、注文から配送までのフローを整えます。
天猫国際は「どんな企業」に向いているか
向いている企業(成果を出しやすい企業)
・ブランド価値を中長期で構築したい企業
単なる販路拡大ではなく、中国市場で「公式ブランド」として認知や顧客資産を積み上げたい企業は、天猫国際と高い親和性があります。
・SNSマーケティングを前提に戦略設計している企業
現在の中国市場では、出店だけで売上を伸ばすことは容易ではありません。小紅書や抖音などを活用し、認知形成から購買導線までを一体で設計できる企業ほど成果につながりやすくなります。
・“日本品質”を根拠とともに伝えられる企業
「日本製」というだけでなく、品質管理・安全性・独自技術・ブランド背景などを具体的に伝えられる企業は、価格競争に巻き込まれにくい傾向があります。
よくある失敗例
・価格競争のみで戦おうとするケース
中国ローカルブランドとの単純な価格競争は難易度が高く、越境EC特有の物流費や関税負担もあるため、安さだけを武器にすると利益確保が難しくなります。
・出店自体をゴールにしてしまうケース
天猫国際は、出店しただけで売上が伸びるプラットフォームではありません。SNS施策や広告運用、大型商戦対策などを含めた継続的な運営が重要となります。
・短期的な売上だけを求めるケース
中国市場では、認知形成や口コミ蓄積に一定の時間を要します。短期的な売上のみを重視すると、成果が出る前に施策を止めてしまうケースも少なくありません。
まとめ:中国越境EC市場における”王道”の選択
天猫国際は、日本企業が中国法人を持たずに中国市場へ参入できる、代表的かつ信頼性の高い越境ECプラットフォームです。
特に、「品質」「安全性」「正規性」を重視するユーザーとの親和性が高く、日本ブランドの価値を中長期で構築していく上で、有力な販売チャネルの一つといえます。
天猫国際を活用することは、中国市場におけるブランド構築と販路拡大を進める上で、“王道”となる第一歩といえるでしょう。
中国ビジネスでお困りの方へ
「出店したものの売上が伸びない」「SNSでの認知度が上がらない」という課題を抱える企業様は少なくありません。
当社では、小紅書(RED)でユーザーの「欲しい」という需要を創出し、天猫国際での「購入」へと繋げる、シームレスな運用を強みとしています。
具体的には、小紅書での「種草(認知形成)」から、KOL・KOCを活用した信頼構築、そして天猫国際での運用代行まで、中国ビジネスをトータルでサポートいたします。
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