中国ビジネスコラム

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618商戦とは?中国越境EC成功の戦略を徹底解説【2026年最新】

2026/06/01 越境EC

かつて、中国のECイベントといえば11月11日の「独身の日(W11)」が絶対的な代名詞でした。  
しかし近年では、618商戦の存在感も急速に高まっています。  
今や618は、単なる「上半期の在庫処分セール」ではなく、  W11に匹敵する、あるいは商材によってはそれを凌駕する戦略的価値を持つイベント  となっています。

本コラムでは、最新の2025年実績データに基づき、618商戦の全貌を解明します。

さらに、日本企業が激しい競争を勝ち抜くための具体的なマーケティング戦略を、中国ビジネスの最前線を知るプロの視点からわかりやすく解説していきます。




1.618商戦の基礎知識と最新の市場状況


618商戦とは

618商戦は、もともと中国EC大手のJD.com(京東商城・ジンドン)が、自社の創業記念日である「6月18日」を記念して、創業10周年の2008年に開始したセールイベントです。  
その後、京東の成長とともに618も急速に規模を拡大。  
多くのブランドにとって、売上拡大だけでなく、認知向上や新規顧客獲得にもつながる重要な販促イベントとして定着していきました。

2011年頃から618の影響力はEC業界全体へ広がり始め、「天猫(Tmall)」「淘宝(Taobao)」のアリババ勢が加わっただけでなく、今では「抖音(Douyin)」「拼多多(Pinduoduo)」といった主要プラットフォームが参戦する、  上半期最大級のECイベントへと発展しています。


2025年実績

2024年の618商戦は、GMV(流通取引総額)が統計開始以来初めて前年比でマイナスとなりましたが、2025年はGMVの前年比成長率が2桁台に回復しており、中国市場における消費需要の底堅さが改めて示される結果となりました。  
背景には、中国政府による消費刺激策に加え、各プラットフォームが従来の複雑なクーポン・満減ルールを見直し、よりシンプルで分かりやすい販促設計へ転換したことが挙げられます。これにより、消費者が価格や割引内容を理解しやすくなり、購買行動へ繋がりやすい環境が整備されました。  
また、かつては6月18日前後の短期集中型イベントだった618商戦も、近年は長期化が進んでおり、5月20日の「ネット情人節(中国版バレンタインデー)」や6月の「端午節」などのイベントも取り込む大型販促イベントとなっています。



2025年プラットフォームごとのセール概況

2025年のシェアを見ると、各プラットフォームの役割分担がより鮮明になりました。


出典:网经社(https://www.100ec.cn/detail--6650262.html)


天猫・淘宝(シェア38%):  依然として最大勢力。6月18日24時時点で、ユーザー規模・アクティブ度ともに過去最高を更新。10億元を突破したブランド数が前年比24%増の453社に達するなど、ブランド品や高品質な商品において、越境EC市場での地位を揺るぎないものにしています。  


 京東(シェア23%):自社物流網を強みに、家電・デジタル分野で高い競争力を持つECプラットフォーム。近年は、アパレル・美容、日用品などのカテゴリーが成長を牽引。バイヤーによるライブコマース取引額が前年比285%増という驚異的な伸びを見せました。 

 
 抖音(シェア15%):6.7万以上の中小店舗が取引額100万元を突破。ライブ配信視聴回数は 前年比31%増、236ブランドがライブコマースで取引額1億元を突破という結果となり、ライブコマースとECコンテンツの成長が際立ちました。


2025年に見られた消費トレンドの変化

2025年の618商戦を分析すると、中国の消費者が「何を求めているか」という本質的な変化が浮き彫りになります。


「剛需(どうしても必要なもの)」から「情緒価値(感情的な満足感)」へ

スキンケアや家庭用清掃用品、サプリメントといった生活必需品(剛需)は、依然として売上のベースを支えています。  
しかし、2025年の伸び率が際立ったのは「それを使うことでどのような気分になれるか」という情緒価値を提供するカテゴリーでした。


ペット関連商品の高度化:  
単なるフードから、AIを搭載したスマート自動給餌器や、家族としての繋がりを感じさせるプレミアムケア用品が急成長。

「自己表現」のためのデジタル・ガジェット:  
スペック重視から、趣味やライフスタイルを充実させるためのデバイス、あるいは自分のライフスタイルを彩るデザイン性の高いガジェットへの投資が加速しています。

「メイクしながらケアする」価値観:  
「妝養合一(メイクをしながら肌をケアする)」という概念が定着。肌をいたわることが心の余裕を生むという付加価値が、日本ブランドにとっての追い風となっています。


「見せる消費」から「自分を満たす消費」へ

かつての中国市場で見られた「高級ブランドを身につけて他人に誇示する」という外向的な消費から、自分の内面を整えるための消費へとシフトしています。メンタルケア、睡眠の質向上、自宅での没入型体験(プロジェクターや高音質スピーカーなど)の需要増は、2026年以降も続く重要な潮流です。  
商品を販売するときには、機能性の説明にとどまらず、その商品が「どのようなポジティブな感情」や「ストレスからの解放」をもたらすかをストーリーとして伝えることが、618での成否を分けると言えます。




2.日本企業が2026年の618で勝つための5大視点


①長期化するセールを見据えた「事前の種まき」

中国では、消費者がセール開始前からSNSなどで情報収集を行い、セール開始時に購入できるよう、あらかじめ比較・検討を済ませているケースが多く見られます。  
そのため、販売側もセール開始前から十分な情報発信やプロモーションを行い、消費者の比較・検討期間に合わせて準備を進める必要があります。

3ヶ月前(3月〜4月): 小紅書(RED)や抖音での「種まき(種草)=購買意欲の醸成」を開始。自社の発信だけでなく、KOLやKOCによるコンテンツも生成し、「この商品は自分に必要だ」という物欲の種を植え付けます。  
1ヶ月前(5月): 予約販売やライブ配信のスケジュールを告知し、ブランドへの期待値を最大化させます。

618は単なる「当日の値引きイベント」ではなく、長期間にわたって購買意欲を育成し続けるマーケティングイベントへと変化しています。

また、近年の618セールは開催期間の長期化も進んでいます。  
2026年は事前クーポン配布期間などを含めると、最大46日間にわたる大型セールとなっています。  
主なプラットフォームの開催期間は以下のとおりです。


・淘宝(タオバオ)・天猫(Tmall):5月12日〜6月20日(約40日間)  
・京東(JD):5月6日〜6月20日(約46日間)  
・抖音(Douyin):5月15日〜6月18日(約35日間)  
・拼多多(Pinduoduo):5月21日〜6月30日(約41日間)  


② コンテンツ型EC(ライブコマース)の活用

従来の「商品をECサイトに掲載し、商品情報を訴求する」だけの販売手法では、成果につながりにくくなっています。

特に成長著しい抖音や京東のライブコマースでは、商品スペックだけでなく、「なぜその商品を使うのか」というストーリー設計が重要になります。


バイヤーによるライブ配信:  単なるタレントではなく、商品の成分や製造工程、日本での活用シーンを深く解説できる専門性の高いライバーを起用することが、2025年の成功ブランドの共通点です。

短尺動画との連動:  ライブ配信の切り抜き動画や、日常の悩みを解決するショート動画を量産し、多角的な接点を構築します。


③ 割引に頼らない「ブランドの守り方」

過度な割引はブランドのプレミアム感を損ない、将来的な利益率を低下させます。

「贈品(おまけ)」戦略:  現金値引きは最小限に留め、現品のミニサイズや限定ノベルティを同梱することで「実質価格」を下げる手法が、中国市場では非常に有効です。  
会員限定特典:  既存顧客をCRM(顧客関係管理)ツールで囲い込み、商戦期にリピート購入を促す仕組み作りが、高いROI(投資利益率)を生みます。


④ 618に耐えられる物流・CS体制

618期間中は、通常の数倍から数十倍のトラフィックが発生します。

物流網の確保:  京東物流(JDL)や菜鳥(Cainiao)といった、大規模セール時のパンクを回避できる強力なパートナーとの連携は必須です。  
24時間体制のAIサポート:  問い合わせ対応のスピードは、購買率にも影響を与える要素のひとつです。機会損失を防ぐためにも、AIボットや有人対応を含め、ユーザーからの問い合わせに迅速に対応できる運用体制を構築することが重要です。


⑤返品率を織り込んだ収益シミュレーション

ライブコマース経由で購入された商品は、カテゴリーによっては30〜50%程度の返品が発生する場合があります。そのため、売上だけでなく返品も前提とした収益設計を行うことが重要です。

返品を減らす努力:  サイズ感や使用感を正確に伝え、ライブ配信中の過度な訴求を抑制する。  
逆物流の効率化:  返品された商品の回収・検品・在庫への再計上を迅速に行うオペレーションを設計。




3.中国越境EC進出前に知っておくべき「日本企業が陥りやすい罠」

成功事例の裏側で、多くの日本企業が同じミスで挫折しています。


「日本で売れている」という過信

日本での知名度が、そのまま中国での売上に直結するわけではありません。  
中国では、WeChat、小紅書(RED)、抖音(Douyin)といった独自のSNS上での認知や口コミが、購買行動に大きな影響を与えています。


複雑な割引の設定ミス

中国ECでは、プラットフォームごとに異なる割引ルールやクーポン設計が存在しており、キャンペーン時には仕様変更が行われるケースも少なくありません。  
そのため、設定ミスによって想定以上の値引きが発生したり、逆に割引が正常に適用されず販売機会を逃してしまうケースも見られます。

特に618のような大型セールでは、各プラットフォームの仕組みや運用ルールを事前に十分理解することが重要です。


薬機法等の規制変更

中国の輸入規制や成分登録ルールは頻繁に変更されます。

最新の法規制に対応できていない商品は、セール直前で出品停止になるリスクがあります。

中国越境ECの始め方はこちら  
中国越境ECの始め方完全ガイド|市場規模・出店方法・戦略まで解説


まとめ:2026年以降の展望

中国の消費市場では、「量」から「質」へ、そして「刺激」から「信頼」へと、価値観が変化しつつあります。  
以前ほどの急成長はみられないものの、約18兆円という巨大な市場規模は、依然として世界で最も魅力的な商圏です。  
その中で求められているのは、単に安い製品を作る企業ではなく、消費者のライフスタイルを深く理解し、それに寄り添った情報発信やブランド体験を提供できる企業です。

また、618は単なる大型セールイベントではなく、中国消費者の購買行動やSNSトレンドを把握し、自社ブランドの訴求方法を検証できる重要なマーケティング機会としての側面も強まっています。

適切な準備と戦略さえあれば、新規参入企業にとっても中国市場で認知拡大や売上成長を目指す余地は十分にあると言えるでしょう。




日辰の実績とサポートについて

弊社の618商戦における2025年の取扱総GMVは1.92億元(約40億円)を突破し、前年比23.9%増という市場平均を上回る結果を収めました。

私たちは、単なる「運営代行」ではありません。

中国市場におけるカテゴリー別の市場・競合分析から、ブランドの価値を中国のユーザーのインサイトに響くように解釈したストーリーテリング、そして最適なKOL/KOCの選定、さらには、100名を超える経験豊かな自社ライバーによるライブコマースまでを一気通貫でサポートいたします。

618、そしてその先に控えるW11(独身の日)での成果最大化を目指し、貴社の良きパートナーとして、中国ビジネスの成功を実務面からサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。

 
 

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